長時間睡眠者、ロングスリーパー。
睡眠時間が10時間以上必要な人といわれていますね。
まだ世界基準で統一された定義はないようです。
目次
自分のベスト睡眠時間を計測
ロングスリーパーという言葉もなかった時代から、筆者はずっと「睡眠時間が多く必要なこと」に悩み続けてきました。
足りない状態が2日も続くと、3日目には足はガクガク、頭はグラグラ、全身が熱っぽいは鼓動も速いはで、まともな会話もできません。
幼稚園児時代のことなんてそんなに覚えていませんが、親の話では「幼稚園から帰ったあと、いちど昼寝をしないと遊びに出られなかった」とのこと。
当時の友だちから「赤ちゃん」とあだ名を付けられたことは覚えています。
それでも遊びに出る時間があったのだから、なんて余裕のある幼児時代だったんだ・・・とは思います。
小・中・高の学生時代には、22時以降のテレビ番組は基本録画して翌日以降に見ていましたね。
深夜番組なんてとんでもありません。
当然「流行にうとい人」という分類でしたが、少ないながらもその都度友人はできましたので、まぁ運が良かったです。


そんなこんなで30歳の時、一人暮らしで無職になった時期がありまして、そのとき試してみたんですね。
毎朝必ず8時に起きると決めて、何時に就寝すれば途中で目が覚めることがなく、また日中眠気に襲われることがないかということを。
それは22時半でした。
22時半就寝で8時起きなので、筆者のベスト睡眠時間は9時間半。
このリズムで約2ヶ月間、何の負担も感じず過ごしました。
ロングスリーパーは仕事の他はほとんど諦めないといけない!?


今仕事の関係で朝7時起きなんですけど、睡眠時間を9時間半取るためには、21時半に就寝しなくてはいけないですよね。
残業が全くなかったとして、家に帰り着くのが18時半。
夕食とって片づけて、お風呂も入らないといけないし、髪も乾かさないといけないからな〜って、バタバタだな!?
なぜ忙しく仕事した上に、夕食も風呂も忙しく済ませないかんのだ!?
明日も忙しく仕事するためか!?ふざけてる!!
と思うわけですよ。
しかも21時半就寝じゃ、22時以降録画の学生時代を下回るQOL(クオリティーオブライフ,自分らしく満足して生活できるかという観点で、治療法を選択するときなんかによく使われるコトバ)じゃないですか。
残業だって、残業なしの仕事なんて日本にはキホンありませんしね。
これで子どもとかいたら、もうどーなるわけ!!?というパニックイメージですね。
明日仕事するために、仕事の他はほとんど諦めないといけないね。あ、食事とお風呂とトイレと睡眠と、ときどき掃除したり洗濯したりはできるか。それってとても幸せなことだよね、アハハ、アハハハハ・・・。


それに世界的にも「生命を維持していくだけで精一杯」という状態は改善すべきとの考えで一致しているでしょう。
さらに筆者が暮らしている日本って、残業ばかりで仕事以外何もできないような働かせ方をする企業はブラック企業って呼ぶような、「国民が仕事以外のこともできる状態を目指している」国ですよね、一応。
このような恵まれた国に生まれ育ちながら、しかも運良くブラックとまではいわれない職場に勤めながら、それでも仕事の他はほとんど諦めないといけなくなる人たちがロングスリーパー、かもしれない。


好きなことはたいてい簡単にはお金になりませんしね。
実際には筆者は毎日21時半就寝というのは不可能なので、週1くらいで21時より前に就寝したり、休日に12時間以上眠ったりして調整しています。
調整する日は仕事と食事・風呂・睡眠以外何もできませんが、他の日はテレビも少しは見るしゲームも少しはできます。
それでもしょっちゅう思いますね。
睡眠時間が平均9時間半ないと体調悪くなる体質なのに、7時間前後で問題ない大多数の人たちと同じだけ稼がないと生きていけないなんて、なんて損なんだろうと。
ロングスリーパーは気のせい、もしくは甘えなのか
ただ、「ロングスリーパー」という言葉が世間で浸透してきてはいても、「本当にそういう体質の人がいるんだ」ということを事実として信じている人は、まだ少ないのではないでしょうか。
例えば身体障害は目に見えるから当然信じられるけど、「うつ病」という目に見えない病気だと「本当なの?」と疑ってしまったり。
それと同じように、「ロングスリーパーなんだ」と告白されたとして、「でも昨日飲み会来てたじゃん、自分だって無理矢理起きる朝くらいあるよ、甘ったれたこと言ってないで、我慢でどうにかできる範囲じゃない??」と感じてしまうのは、とても自然な反応だろうと思います。
筆者自身でさえ、相手次第では疑ってしまいそうです。
実際、甘えかどうかは迷うところです。
子どもが生まれたばかりの夫婦なんて、まとまった睡眠時間3時間とれたかな?みたいな期間が半年以上続くって話、よく聞きますしね。
それでも大半の人たちが死んではいないわけですから。
筆者もがんばれば毎日7時間前後の睡眠時間でもやっていけるのかも・・・・・・
でも同じ職場の独身のあの人は、他の独身の人に「23時以降起きていられないなんて信じられない!!だって23:15からのあの番組、見たいじゃないですか!??」って言い放っていたしな(筆者は「私なんて22時以降すら怪しいよ・・・」って言えなかった・・・)、そんなに無理してがんばって7時間前後睡眠を続けている様子じゃないんですよね。


ちなみに筆者の周囲では、30代の人間が3人亡くなっています。
3人とも残業の多い仕事をしていて、そのうち2人は小さい子どもを抱えていました。
3人の死因は聞く限り少しずつ違っていて、別に睡眠不足とか過労が原因にあったと認定されたわけではないのですが、聞かされたとき、もともと無理したくない考えの筆者はますます無理したくないなぁと思ってしまいました。
3人とも仕事に夢中でプライベートにも夢中で、やりたいことばかりで無理したくて無理したっていう話なら(それでも死ぬほど無理してほしくはなかったですが)まだ気持ちが救われるのですが、そこのところはわかりません。
逆にショートスリーパーは
これまでに筆者が「睡眠時間が多く必要で悩んでいること」を打ち明けた相手は10人にも満たないのですが、その中で1人、驚くほどあっさり「あぁ、たくさん寝ないとダメな人なんだね」と受け入れてくれた人がいました。
その人はショートスリーパーでした。
基本的に4時間前後で目が覚めてしまうそうで、幼少の頃から1人で本を読みながら他の家族が起きるのを待っていた経験から、「自分は他の人たちと少し違う、だから逆に他の人たちよりも睡眠時間が多く必要な人も存在するよね」と自然に思えるようです。


なぜロングスリーパーだけ改善を求められるのか
ロングスリーパーもショートスリーパーも平均から外れた人たちですが、ショートスリーパーを甘えだという意見は聞いたことがありませんね。
「気のせいじゃない?」とか「寿命のためにもう少し眠るようにした方が良い」といわれることはあるかもしれませんが。
理由はやっぱり労働や経済にとって、ショートスリーパーの方が都合が良いからでしょうね。
短い睡眠時間でたくさん働けますし、労働者としても経営者としても、この上なくありがたい存在です。
7時間前後睡眠の人たちよりも寿命が短いらしいですが、それも現役時代に目に見えてバタバタ亡くなっていくほどの短命ではないようですし(そもそも目に見えてわかるほどの人数がいないはず)、一部研究では男性のショートスリーパーについては上記定義が当てはまらないという話です。
それに比べてロングスリーパー・・・・・・


筆者が経営者でもそう思います、はい。
だからみなさん、ロングスリーパーにもショートスリーパーにもデメリットがあるにもかかわらず、ショートスリーパーの人たちには「改善しろ」なんていわないんですよね。
それは仕方のないことです。
だからといって合わせるわけにはいかないんだ
というかできないんです。
ちょっと周りに合わせて3日間多めの残業したら、インフルかかって翌週全滅・・・とか。
よけい周りに迷惑だし、こんな調子ではクビになる日も近いですね。
クビならまだしも、寿命がより縮んでしまうかもしれません。
ただでさえロングスリーパーもショートスリーパーと同じように、7時間前後睡眠の平均的な人たちよりも寿命が短いといわれているのに。
ロングスリーパーが仮に気のせいや甘えではなく現に存在する体質であった場合、平均に合わせようとすれば、平均の人たちとロングスリーパーとどちらが先に死ぬかって・・・・・・
なんだかね、そこまでして平均に合わせようとは思えません。
寿命がより短くなってもいい、まっとうな日本の社会人として人並みに仕事してみせる!とは、少なくとも筆者は思えません。
クビにはなるかもしれませんが。
仕事って、生きるためにすることでしたよね?
そういうわけで、ふだんは「あの人いつもたいして残業しないでみんなより早く帰るよね」と陰口たたかれながらも、翌週以降もちょっとだけ残業し続けられるように調整していますよ。
その調整も年を重ねるごとに難しくなっています。
通常、年齢を重ねると必要な睡眠時間は少なくなるはずですが、それは60代より上の話なんですかね。
残念ながら筆者は、確実に20代より30代の方が疲れて眠っている時間が増えていますよ。
体力が衰えるせいでしょうかね。


長々と書き連ねましたが、もし同じように悩んでいる方がいれば、参考になる部分があるかもしれません。
今後、ロングスリーパー体質のせいで困っていることをはじめ、生活上の工夫やアイデア、どう暮らしていきたいかについて書き連ねていこうと考えています。
この記事を自己紹介代わりにします。


【参考サイト】
「NPO法人 日本過眠症患者協会 ロングスリーパー(長時間睡眠者)」
https://www.kaminshou.net/longsleepers
(2021.6.5)
「睡眠時間と寿命の関係」
https://www.ichida-kyoto.com/column/sleepinghours-deathrate/
(2021.6.5)
「適切な睡眠時間とは」
https://sleepmed.jp/platform/entry2.html
(2021.6.5)